新潮古典文学アルバム17 井原西鶴 谷脇 理史 吉行 淳之介著
古典や少し難解だなと思う(私自身が、です)作品に出会った場合、
以前なら途中放棄
していましたが、読書会の議題本となるとそうはいきません。
ページをめくれども頭に
入らない。
そんな時はまず作者を探ってみることにしています。
頭を抱える私に新潮古典文学アルバムはもってこいの本でした。
まず写真が多いこと。
時代背景や作品をひもときながら、
西鶴の人生がすんなりと理解できる流れになってい
ます。
最初の執筆者が吉行淳之介氏、彼も現代語に訳されています。
島田雅彦氏と同じく、ま
たまたぴったりと思ってしまいました。
西鶴三十四歳の頃、年の離れた妻が三人の幼い子どもを残し亡くなってしまいます。
その年のうちに剃髪し法体となります。
商家の名跡も手代にゆづり、俗世から一歩身を
ひきます。
亡妻の追善供養のために独吟で千句を読み、
俳諧の世界へより深くと身を投
じていくのです。
ほぉと西鶴に対する興味が湧いてくるではありませんか。
『好色一代
男』は遊び心満載の物語ですが、情の深さも垣間見ることに。
基礎知識として、古典を読んでいなければクスッと笑うことができません。
題名だけが、内容から離れて変なイメージを定着させてしまった古典作品だと
気付かされます。
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