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2018年1月

2018年1月31日 (水)

『3びきのかわいいオオカミ』』  ヘレン オクセンバリー(絵)冨山房

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ユージーン トリビザス、 ヘレン オクセンバリーという
犯罪学者と人気漫画家のコンビで 描いた絵本。
名前を聞いただけでクスッと笑ってしまいますね。
そう、あの三匹の子ブ タのパロディ絵本です。
まぁ、大豚がとっても悪い顔をしているんです。
あどけない表情のオオカミたち。

オオカミは怖い
豚は弱くて被害者?
本当にそうなの?
先入観につい て考えるヒントをくれる一冊かもしれません。
     

2018年1月30日 (火)

『死神さんとアヒルさん』 ヴォルフ・エァルブルッフ著 世界思想社

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シンプルな表紙です。キュートなアヒルさんが天を仰いでいます。
全体的に優しいクリーム 色が背景です。
アヒルさんは死神さんと出会ってしまいます。
最初は驚き嫌がっていました が、心を開き二人の間に友情が芽生えます。
でも、やはりお別れが……。

「死」をどう受け止めていくかを優しく語っています。
なんともキュートな死神さん。
顔は どくろなのに、スカート姿なんですよ。

2018年1月29日 (月)

『アライバル』 ショーン・タン著 河出書房新社

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文字のない絵本が世界を席巻しました。
到着する人々。
今こそたくさんの人に読んで考えて 欲しい絵本の筆頭かも知れません。

発表されたのは2008年。
現在は2017年、9年の間に世界 はなんと狭くなってしまったことか。

祖国に漂う不審な空気、将来を案じ、安住の地を求め、一人男性が旅立ちます。
家族を残し 船に乗り遠く、何もかも違う国に降り立ちます。
言葉の問題を越え、不思議なペットを通じて、異 国に馴染んでいくさまを、
セピア色で描き出された絵が語ります。
生活の基盤を得た男性は 娘と妻を呼び寄せ、抱き合います。
その姿に読者もホッとして幸せな気持ちに包まれることでしょう。

今、世界中で問題になっている難民問題。
確かに難しい問題です。
受け容れれば自分達の生活が脅かされるのではないか
職を奪われるのではないか。
否定はできません。

拒絶する、それが一番の解決法なのか
視点を少し変えて、難民の立場から見てみませんか。
今世界で問われていること。
わたしたちは拒絶することで幸せになれるのか。
一人の男性が辿る旅路を眺めながら、改めて考えることができます。

絵が語る。
これこそ大人の絵本かもしれません。

2018年1月25日 (木)

宮沢賢治

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誰でも知っている作家のひとりが宮沢賢治でしょう。
教科書にも登場します。数多くの童話が絵本になっています。
『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』『風の又三郎』数え出すとキリがありません。

大型書店の絵本コーナーで探してみますと、子どもだけではではなく、
大人も見入ってしまうほど美しい絵や装丁の本がたくさんありまた。
著名な画家やアーティストの創造力を刺激するパワーがあるのでしょう。 

さて、宮沢賢治の作品ですが、本当に読んだ? 
となると怪しくなる人がほとんどではないでしょうか。
実はわたしもその一人です。
あらすじは言えますが、感想を語るには材料が乏しいことに気付かされました。
知ったつもりになっていただけなのです。
だからこそ、今回は宮沢賢治にしましょうと決めました。

改めて読んでみようとしましたら、作品数の多いこと
研究本や資料の多いことに驚きました。
哲学的で不可解で、またまた手強いの です。これは毎回同じなのですが。

今回参加された皆さんは宮沢賢治について、
どのようなイメージを持っておられるのでしょうか。
まず、第一印象をお尋ねしてみました。

童話作家、雨ニモマケズの詩の作者、道徳的、ファンタジー要素、
善良で少し哀しい物語、 妹想い
岩手農民に尽くした、という感想を頂戴しました。
わたしも同じで、ごく一般的な感想だと思います。

議題本議題本である河出書房新社の日本文学全集16に掲載された作品群です。

詩・『春と修羅』『疾中』『星めぐりの歌』[われらひとしく丘に立ち]
『スタンレー探検隊に対する二人のコンゴー土人の演説』
『農学校歌』[生徒諸君に寄せる]

童話・『水仙月の四日』『ひかりの素足』『北守将軍と三人兄弟の医者』
『気のいい火山弾』 『狼森と笊森、盗森』『雪渡り』『土神ときつね』
『雁の童子』『泉ある家』『十六日』  『ボラーノ広場』

わたしといえば、この中で読んだことのある作品は僅かで、
ほとんど知りませんでした。
そのことに唖然とし、読み始めることとなりました。

まず言葉使いの斬新さに驚きました。
これは大人になったからこそ分かることかもしれません。
溢れ出てくる擬音、擬態語の感覚が独自です。
敬遠される連発していますが、今読むと、とても新しく感じました。

雨ニモマケズの詩が、国策として利用されたため、
宮沢賢治は聖人のイメージが出来上がってしまいました。
実際の彼は悩める心優しき青年で、自身の無力さに苦しんでいました。
お金持ちのお坊ちゃま育ちで、父の溺愛に葛藤し、妹の死に絶望を覚え、
信仰の道を模索した人です。

作品内容も多彩で、『毒もみの好きな署長さん』では欲望を肯定しています。
『月夜の電信柱』に感じるのは軍国のにおいです。
世の人の幸せを願いながらも、人間の全てを否定しない作品群は、
むしろ怖いイメージを醸し出しています。

『ひかり素足』は厳しい自然環境の中で生きる人びとの悲哀が、
幼い兄弟たちに托されているように思えました。

宮沢賢治の残した作品群は今なお人々を魅了してやみません。
それと同じく彼の人生も作品とリンクして興味をかき立ててやまないのです。
賢治を知るには彼の生き方そのものと共に読み進めると
より深く理解していけるのではないかと感じました。

先入観だけでイメージを定着させていたことに気付かされました。
日常生活においてもそうかもしれないと、改めて思ったのです。
童話作家だけではない宮沢賢治
その世界をもっと探ってみたいという感想を多くの人が持たれました。
わたしも同じです。

2018年1月 3日 (水)

明けましておめでとうございます。

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2018年 平成30年になりました。

読書会を始めて3年目に近づきます。
時が流れるのは速いですね。

読書会から子ども達のワークショップ、大学での授業
学会での発表、双六の作成と発展していきました。
すべてが初めてで、戸惑うことも多く、というより現在も戸惑い中かもしれません。
軸をどこにするかを今年は考えて行きたいと思います。

双六は古典作品の入口として活用していきます。
本来の読書会は、明るく和やかな回と、専門性のあるお話を聞ける回など
幅を広げたいと考えています。

昨年は大手出版社の社長が、文庫本は図書館に置くのを止めて欲しいとの
要望を出したほど紙の本は売れ行きが悪い時代に突入しています。
視覚から入る情報が多く、当たり前になってきた今日、本、言葉のちからとは
何かを見つめることが大切になってきたように思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

大人に語る絵本

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今回は特別編、『大人に語る絵本』です。
大人だからこそ味わえる、大人も楽しめる絵本を 読んで語り合う会です。

日本文学全集からちょっとだけ離れて、気軽に参加できる回です。
心が疲れた時に手に取りたくなるのが絵本です。
美しく優しい絵柄、ウィットに富んだ物語 素直に心に響いてきます。
子どもだけでなく、大人も必要、大好きなんですね。

特別ゲスト、『ウォールズ』で第8回be絵本大賞を受賞された、
西宮在住でもある絵本作家 ありま三なこさんをお招きして
絵本制作について、熱く語っていただきました

わたしが選んだ大人向けの絵本をその場で読んで、
感想を語り合うスタイルにしました。
冒頭はアカデミー短編アニメ賞受賞作『岸辺のふたり』DVD鑑賞からスタート。
当会に初めて参加するという方も多く、絵本の持つ魅力を強く感じました。
古典文学もこん なに参加者があれば嬉しいのだけれど、などと思ってしまいましたが。

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