参考文献 『兄のトランク』 宮沢清六著 ちくま文庫
現在、私達が多くの賢治作品を読めるのも、
弟である宮沢清六の尽力にあると言っても過言ではないでしょう。
生前公に発表された作品は少なく、ほとんどが彼の死後遺族の手によって
発表されたものです。
作中には興味深い内容がたくさんあります。
空襲の中、燃え残った遺稿の話などは、賢治の不思議を感じます。
9歳年下の清六は兄賢治に憧れに似た感情を抱いており
自分の中に流れる兄と同質の想いも語られています。
岩手山を兄と共に登った歓喜の思い出は、夭折した兄へのオマージュのようです。
それとともに破天荒な兄の行動に苦悩する父の姿も知ることができます。
身内の視点から語られる賢治像は、物語をひもとく一つの手がかりになるかも。
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